バランス・スコアカード
2018.02.05経営戦略
バランス・スコアカードとは、1992年にハーバードビジネススクールのロバート・S・キャプラン教授と経営コンサルタントのデビット・P・ノートン氏によって発表された経営管理・業績評価システムです。
財務目標、顧客の視点、社内ビジネス・プロセスの視点、学習と成長の4つの視点から設定される各目標が、戦略達成に向けた階層的な因果関係に位置づけられ、実施されます。
アメリカで考案され、発展したツールですが、日本でも導入している企業や自治体は多くあります。
各4つの視点では以下のように会社や事業部門を評価します。
財務:財務的業績の向上のために、株主に対してどのように行動すべきか
顧客:戦略を達成するために、顧客に対してどのように行動すべきか
社内ビジネス・プロセス:株主と顧客を満足させるために、どのような業務プロセスに秀でることが求められるか
学習と成長:戦略を達成するために、どのようにして変化と改善のできる能力や環境を維持するか
株主価値を高めるためには、利益が重要になり、利益を増加させるためには、売上高を増加させる必要があり、そのために新規の顧客を確保するまたは既存の顧客を囲い込むといったことが必要となります。
さらに、新規顧客の確保ないし既存顧客の囲い込みのためには、マーケティング部門や販売員を強化する等の対策が必要になると連鎖して考えていくものです。
バランス・スコアカードの考え方は、
・戦略や計画を組織や社員へ浸透させることができる
・戦略や計画と整合性ある目標を数値化して設定することができる
・業務プロセスや社員意識の変革を促進する
といった有用性があり、近年では、単なる業績評価のシステムとしてだけでなく、戦略マネジメントシステム、さらには変革のフレームワークとして活用されることが多くなっています。
会社設立後の経営計画を作成していない経営者は、経営計画を継続的に立てていくために、バランス・スコアカードの導入を検討してみてはいかがでしょうか。