ブランド・エクイティ
2017.11.28マーケティング
ブランド・エクイティとは、商品やサービスそのものの価値とは別にブランド名や商標が生み出す知名度やイメージなどの付加価値全体をさす概念です。
カリフォルニア大学バークレー校のデービッド・A・アーカー教授によって1991年に提唱されました。
ブランド・エクイティは大きくわけると以下の5つの構成要素で成り立っています。
1.ブランド認知
ブランド認知とは、ブランドが認識されている度合いのことですが、単に消費者がブランド名を知っているかということだけではなく商品やサービスのカテゴリーが正しく認識されているかどうか、消費者から見て自分との関わり合いが認識されているかどうかといったことも含みます。
スターバックスを例に挙げると、消費者はそのブランド名を知っているだけではなく「カフェのチェーン店であること」「くつろぎながらコーヒーを飲める場所」といったそのブランド名を認知しているだけでなく、「スターバックス」というブランドを正しく認識しています。
2.知覚品質
知覚品質とは、そのブランドに対して生活者が認識している品質のことを指します。
知覚品質は企業側が設定した事実としての品質とは異なり生活者側が認識している品質のことを指すため、単に製品の機能・性能だけでなく、信頼性やサービス、雰囲気など、その範囲は多岐に渡ります。
知覚品質は事業収益への貢献度が高く、ブランド・エクイティの中で特に重要な管理要素となります。
3.ブランド・ロイヤリティ
ブランド・ロイヤリティとは、ブランドに対して感じる愛着の度合いであり、ブランド・ロイヤリティが向上するとブランドの継続購入率は高まります。
実務的には「とても買ってみたい」「買ってみたい」「どちらでもない」「あまり買いたくない」「買いたくない」という5段階の指標などで測定されることが多いです。
4.ブランド連想
ブランド連想とは消費者がブランドについて解釈し、想起する一連の連想であり、強いブランドは消費者がそのブランドを思い浮かべた際に何かしらの連想が頭の中に思い浮かびます。
もしも、好ましいブランド連想が一つも思い浮かばなければ、消費者はそのブランドに価値を感じることはなく、感情移入されることもなく、指名で購入されることもないでしょう。
5.その他のブランド資産
その他のブランド資産とは、ブランド以外の知的所有権のある無形資産(特許・商標など)や取引先との強固な関係性などを指します。
ブランドという資産は、企業側ではなく消費者の認識の内側に存在しているため、企業側が適切なブランド・マネジメントを行えば、長期に渡って競争力を発揮する資産として存続します。
そして、一度消費者の認識に記憶されたブランド・エクイティは容易に失われることはないため、多くの企業がブランド・エクイティの構築を目指しています。
会社設立後、早めの段階からブランド・エクイティの構築に取り組めば、強力なブランド・エクイティを獲得することができるでしょう。