ファイブフォース分析
2017.11.17経営戦略
ファイブフォース分析とは、ハーバード大学教授のマイケル・ポーターが自身の著書「競争の戦略」で述べたもので、業界の収益性を決める5つの競争要因から、株式会社や合同会社といった企業が業界の構造分析を行う手法のことです。
競争要因1:新規参入の脅威
自社が属している業界や市場に新規企業が参入してくると、自社のシェアが奪われる可能性があります。
特に参入障壁の低い業界は、新規参入企業の脅威が大きくなります。
参入障壁とは、具体的に下記のようなものを指します。
・ブランド・知名度の浸透
・資金力
・他の商品に切り替える際の金銭・手間・心理的なコスト
競争要因2:売り手の交渉力
売り手とは、製品を作る際に必要な原材料などの供給業者のことです。
供給業者の交渉力が強い場合、原材料などの高い仕入れ価格の設定などによって企業の収益性が低くなったりします。
競争要因3:買い手の交渉力
買い手とは、自社の製品やサービスを買ってくれる人です。
つまり自社の顧客のことです。
顧客の交渉力が強い場合、希望価格より安く売ることになり利益が少なくなるという脅威があります。
競争要因4:代替品の脅威
ここでいう代替品とは、自社製品にとって代わる新しい製品という意味です。
自社製品と同じもしくは低価格かつ高品質の優れた代替品が現れた場合、脅威が大きくなります。
競争要因5:既存同業者との敵対
事業を営む上で競合他社がいないことはほとんどありません。
既存同業他社との敵対が1つの脅威です。成長スピードが遅く業界や生産能力の拡大が容易な業界などは、敵対関係が激しくなると言われています。
ポーター教授は「競争戦略とは業界に働く5つの競争要因からうまく自社を守り自社に有利になるように競争要因を動かせる位置を業界内に見つけること」と述べています。
5つの競争要因は、業界の中長期的な収益性に大きく影響するため、要因を分析していくことで現在の業界の収益性の公図がわかり、経営戦略策定時には大変役立つのです。
起業のために会社を設立するにあたって、これから参入しようとする業界の5つの競争要因を分析し業界内での優位な位置を確立できるようにしましょう。