クープマンの目標値
2017.11.14マーケティング
クープマンの目標値とは、市場シェアを見極める6つのポイントとして示したもので、アメリカの数学者である、クープマンが市場における各企業のシェアが持つ意味合いに注目し、市場シェアと市場推移の関係を解析し、市場シェアの目標値として定めたものです。
1.独占的市場シェア(73.9%)
73.9%のシェアを獲得すると、いわゆる「独占」状態になります。
下位企業が何社いても容易には業界の動向は変わりません。
これ以上のシェアを獲得すると、独占禁止法などの法律に引っかかる可能瀬があるので、何らかの対策が必要となってきます。
2.相対的安定シェア(41.7%)
独占ほどではないですが、41.7%のシェアを獲得した企業は安定的な地位を築きます。
他社の動向を無視できるほどではないのですが、安定的に事業を展開できます。
3.市場影響シェア(26.1%)
リーダー企業とみなされる下限目標値が26.1%です。
トップ企業が持つシェアとしては下位企業からいつ逆転されるかどうかわからない不安定な状態ですが、2位企業がこのシェアであれば市場に影響を与えることができる水準にあります。
4.並列的上位シェア(19.3%)
19.3%の市場シェアを獲得した企業は上位グループに分類されますが、19.3%が業界1位になる場合は、リーダー企業が存在していないか、弱者同士が拮抗している競争状態にあるといえます。
どの企業も競争優位を示していない状態です。
競争状態から抜け出すために19.3%のシェア獲得を目標値とする場合があります。
5.市場認知シェア(10.9%)
顧客や競合他社から存在を認識されるようになります。
上位グループではないため、シェアをさらに落としてしまうリスクが高い状態です。
6.市場存在シェア(6.8%)
市場において競争するのが許される最低シェアです。
6.8%以下のシェアしか保てない製品は撤退する方が懸命と言えます。
新興勢力にとっては競争に参入するための最初の目標値と考えられます。
7.市場橋頭堡シェア(2.8%)
橋頭堡とは、足がかりのことで、2.8%のシェアは競合他社から競争相手だと認められることはありませんが、市場に参入するための足がかりを築いた状態の数字です。
市場橋頭堡シェアを獲得したら、ランチェスター戦略の弱者の競争戦略を始めます。
近年、市場シェアより利益重視の傾向もありますが、それでも市場における自社と自社製品の位置を把握したり競争目標を設定する上で市場シェアは極めて重要な指標です。
自社の既存の市場シェアと、次に狙うべき目標値を把握して、それに応じた戦略を選択するようにしましょう。
市場橋頭堡シェアを獲得するだけでも、大変難しいのですが、会社設立後はまずこのシェアの獲得を目指してみてはいかがでしょうか。