アナジー
2017.10.23経営戦略
アナジーとは、株式会社や合同会社といった企業の事業間の相互マイナス効果のことで、シナジーの反対概念です。
例えば10の価値を創出する企業が2つ集まって、20以上の価値を創出できるのがシナジーであるのに対して、10の価値を創出する企業が2つ集まっても20以下の価値しか創出できないものがアナジーです。
多角化などの企業の事業範囲を決める基準としてシナジーの概念は多く使われていますが、最近ではアナジーという概念が注目されています。
シナジーを実現するには困難を伴うことが多く、1つの企業の中で異なる事業を統合することによってマイナスになってしまうという結果が多く出ているためです。
1つの企業であれば、同じ評価基準で異なる事業を評価することや、本社部門による各事業の統制で迅速な意思決定が行えないという弊害が出てしまいます。
これらのアナジーを避ける方法として考えられるのが、特定の機能に特化したピュアカンパニーです。
インテルのような半導体専業企業や、台湾に多いEMS(受注生産会社)などがピュアカンパニーの典型例です。
ピュアカンパニーは市場取引の発達などの要因によって増えてきましたが、アナジーを回避するという理由でも今後の企業形態の1つのあり方を示唆しているでしょう。