バリューチェーン
2017.10.17経営戦略
バリューチェーンとは、事業を主活動と支援活動に分類し、どの工程で付加価値(バリュー)を出しているかという分析をおこなうためのフレームワークです。
1985年にマイケル・E・ポーターが「競争優位の戦略」という著書の中で提唱しました。
このフレームワークによって事業戦略を考える際に必要な事業の競合優位となる源泉を把握することが可能となります。
バリューチェーンの定義で述べた主活動とは、購買物流、製造、販売といった製品が顧客に到達するまでの流れと直接関係する活動で、支援活動とは、技術開発、人事、財務といった主活動を支える活動を意味します。
バリューチェーン分析のまず第一段階は、自社ではどれが主活動と支援活動に該当するかを把握することです。
例えば食料品メーカーの主活動は「商品企画」「原材料調達」「加工製造」「流通」「販売」といったような流れになります。
業種業態によって異なりますので自社がどのようなプロセスになっているのかしっかり把握しましょう。
後述する強みと弱みの把握を行う際のために、出来る限り細分化したほうがよいでしょう。
第二段階では、先程細分化した各活動のコストを把握することです。
どの活動にどれくらいのコストがかかっているか、それぞれの活動の収益性はどれくらいかがはっきりとしてきます。
第三段階では、それぞれの活動の強みと弱みを分析します。
それぞれの活動でどこが競合他社よりも強いか、どこが競合他社よりも弱いかをはっきりさせます。
人によって強み弱みの捉え方が異なるので、できるだけ様々な立場の人から意見を集めましょう。
最後に、VRIO(ヴェリオ)による経営資源の競争優位性分析を行います。
VRIOとはValue(価値)、Rareness(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の頭文字で、経営資源を分析する際の4つの要素を示しています。
第三段階で分析した自社の強みを、目標を達成するための価値があるのか、その強みに希少性はあるのか、競合他社に真似されにくいか、強みが生きる組織を作れているか、という視点で分析します。
この4つの視点で分析した活動を数値化するなどすれば、自社の競合優位となっている活動が見えてくるでしょう。
この分析によって把握された自社の競合優位となっている活動に、さらに資源を投入することで、自社の競合優位性をますます高めることも可能となります。
また、自社の弱みについても、その弱みを克服するための戦略の策定も必要となります。
会社設立前からあらかじめ自社の強みを何にしていくかを見定めておいて、それを成長させるにはどうすればよいか考えておくことが重要です。