カニバリゼーション
2017.10.16マーケティング
カニバリゼーションとは、自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう「共食い」現象のことをいいます。
カニバリゼーションの代表例として、ビール市場で発泡酒、第三のビールなどが登場することにより、主力商品のビールの売上が激減したことや、カメラメーカーがデジタルカメラを投入することにより、アナログカメラが売れなくなったことが挙げられます。
企業は新規事業を行う際にはカニバリゼーションが起こらないように状況を慎重に分析し、商品カテゴリを変更したり、流通チャネルを変えるなど対策を講じる必要があります。
企業にとっては売上の減少などが起こってしまうカニバリゼーションはどうしても避けたいのですが、あえて戦略的にカニバリゼーションを促す場合もあります。
例えば、上記のビール業界のカニバリゼーションでは、企業とすればカニバリゼーションが起こることはわかりきったことなので、発泡酒や第三のビールを市場に投入せずにビールだけを販売したかったはずです。
しかし、自社が安価な新製品を市場に投入しなければ、競合他社が安価な新製品を市場に投入して市場のシェアを奪ってしまうのは明らかでしょう。
そのため、カニバリゼーションが起こるとわかっていても、戦略的に安価な商品を市場に投入する場合もあります。
自社の今まで投入していた商品の売上が落ち込んだとしても、全体でのマーケットのシェアの拡大を狙っていく戦略を採用するのです。
カニバリゼーションを避けるか、意図的に起こすかどちらにせよ、企業が新製品を市場に投入する際には、カニバリゼーションの売上に与える影響を考慮した上でマーケティング戦略を考える必要があるでしょう。
自社が将来的にどのような商品・サービスを展開していくかをカニバリゼーションも考慮に入れつつ、会社設立の前からしっかりと計画しておくとよいかもしれません。