DMU
2017.07.11マーケティング
DMUとはDecision Making Unitの略で、購買にあたっての最終的に意思決定をする人のことを意味します。
購買決定者と使用者が同じ場合や、少額の商品の場合はDMUのことをあまり意識しなくてもよいでしょう。
しかし、商品やサービスの使用者と購買決定者が違う場合や、法人が対象となる商品やサービスの場合には、DMUを正確に把握することが重要です。
例えば、学習塾の場合、サービスを直接受けるのは子どもですが、学習塾への費用を出すのはその親である保護者です。
そのため、ここでのDMUは保護者となり、保護者を強く意識した営業やマーケティングを行わなければなりません。
また、法人が顧客の場合では、商品やサービスの購入が決定されるまで複数の人や組織が関与することとなり複雑となっています。
さらに、役職が高い人が必ずしも決定権を持っているとは限らなかったり、購入金額によって決定権を持つ人が変わるケースも有り、DMUを正確に把握するのがかなり困難になる場合もあります。
このような法人が顧客の場合、DMUを下記の5つに分類するとよいでしょう。
1.起案者:購入の案件を起案して持ち込む人
2.インフルエンサー:購入の最終決定に影響を与える人
3.購買決定者:1と2から情報を得て判断し、購入の可否、タイミング、価格等を決める人
4.購買者:実際の購買行動を行う人
5:ユーザー:実際に製品やサービスを利用する最終ユーザー
1~5までのような様々な立場の人が購買に影響を与えますが、商品やサービスを評価する基準がそれぞれで異なっていることに注意しなければなりません。
次に法人が顧客の場合の購買意思決定プロセスは下記のようになります。
1.問題意識:製品やサービスを購入することによって、解決可能な問題やニーズが存在することを認知する段階
2.一般的ニーズの明確化:必要としている製品やサービスの質と量を明確にする段階
3.製品仕様の作成:製品の具体的な仕様書を作成する段階
4.供給業者の探索:適切な供給業者探し出す段階
5.提案書の請求:いくつかの供給業者に対して見積もりなどの提案書の提出を求める段階
6.供給業者の選択:提案書を検討し、供給業者を決定する段階
7.発注(手続):選択された供給業者に対して発注書を作成して契約を結ぶ
8.成果の評価:購入した製品やサービスが問題解決やニーズに合致したかを評価し、後の意思決定に活かす
このような8つの意思決定プロセスのどの段階から顧客と接することができるかによって、営業方法は変わってきます。
初期の段階から接することができるのであれば、価格競争を避けることができ、顧客のニーズに合致した提案をすることができます。
DMUを的確に分類し、意思決定プロセスの各段階に適切な対応がとれれば、営業活動やマーケティングの結果は大きく異なってくるでしょう。