ロジャースの普及理論
2017.07.05マーケティング
ロジャースの普及理論とは、1962年にスタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が「イノベーション普及学」という本で提唱した、イノベーションの普及に関する理論です。
ロジャースは消費者の商品購入に対する態度を新しい商品に対する購入の早い順から以下のように5つのタイプに分類しました。
1.Innovators(イノベーター:革新者)=新しいものを進んで採用する革新的採用者のグループです。社会の価値が自分の価値観と相容れないものと考えています。全体の2.5%を構成します。
2.Early Adopters(アーリーアダプター:初期採用者)=社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する初期少数採用者のグループです。全体の13.50%を構成します。
3.Early Majority(アーリーマジョリティ:前期追随者)=ブリッジピープルとも呼ばれます。新しい様式の採用には比較的慎重な初期多数採用者のグループです。全体の34.0%を構成します。
4.Late Majority(レイトマジョリティ:後期追随者)=フォロワーズとも呼ばれます。後期多数採用者のグループで、新しい様式の採用には懐疑的です。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をします。全体の34.0%を構成します。
5.Laggards(ラガード:遅滞者)=最も保守的な伝統主義者で、または採用遅滞者のグループです。世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化するまで採用しません。全体の16.0%を構成します。
ロジャースはイノベーターとアーリーアダプターの割合を足した16%のラインが、商品普及のポイントであることを指摘し、これを「普及率16%の理論」として提唱しています。
この理論では一般的にアーリーアダプターへの普及が商品普及の鍵を握るとされています。
市場に登場したばかりの製品を購入するのはイノベーターですが、イノベーターの商品購入の理由は商品の目新しさだけです。
本来はたくさんの人が着目するポイントにイノベーターは価値を見出しません。一方、イノベーターに続くアーリーアダプターは、商品の目新しさ以外にも、これまでの商品にはなかった価値のあるポイントに注目し商品を購入します。
アーリーアダプターは他の消費者への影響力が大きいという特徴もあるため、口コミなどを通じて商品を普及させる力を持っています。
アーリーアダプターをうまく獲得できるか否かによって、アーリーマジョリティやレイトマジョリティにまで広げられるかが決まってくるのです。